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②”端数”使用にご用心
タイミングに関するマナーをマスターしても、まだまだ注意すべき点はあります。貯めるだけでなく、使ってこそポイントカード。この項目では、ポイントカードの使用時に注意する点を学んでいきましょう。
1ポイント=1円など、ブランドによって1ポイントが何円相当になるのかについては様々です。しかし、基本は1円ではないでしょうか。そしてポイントカードを使うにあたって便利なのは、”端数”だけポイントで支払える場合です。
お会計が1067円みたいな金額で、現金払いをしたい場合、当然ながらお釣りの出ないちょうどの金額を所持していれば良いですが都合よく持っていないケースが大半でしょう。そんな時に、「67円はポイントから使って、後は現金で払います」などとクールに宣言し、財布からピッカピカの新千円札を取り出して支払う──。
まだ自らのポイントカードを所有していない小学生がそんな姿を見たら、「ああ。かっこええわー」と、一日でも早く大きくなり、自分のカードを持ちたいと羨望の眼差しを向けられることでしょう。
そんな「気持ちええ~」のが端数ポイント支払いというテクニックなのですが、マナー的にはどんな場面でも駆使してはいけないという事実をご存じでない方が案外多いのが現実です。
まずは大前提として、ブランドによって細かい単位でのポイント利用ができない場合がある事をしっかりと理解しておかなくてはありません。例えば、とある有名百貨店のポイントは2000円単位でしか使用できないように、そもそも小銭を出さないための端数使用がルール上禁じられているブランドもあるのです。ですので、お手持ちのカードにおける使用ルールについては念入りにおさらいしておきましょう。本来は2000円単位でしかしようできないポイントなのに、12円の駄菓子の購入時に「ポイントで!」などと言ったら、店側はどう思うでしょうか?「ああ、私(たちの店)って大事にされていないんだな・・・」と悲しい気持ちになること必至です。ポイント使用時の大事なマナーとして、よく理解しておくことをお勧めいたします。
ここからはマナーレベルがもう少し上がる注意点をご紹介いたします。端数を使用するのに望ましくないとされている金額があるのをご存じでしょうか?不吉な事柄を連想させる数字は基本的にマナー違反とされていますので、以下をよく覚えておくようにしましょう。
●4⇒今さら説明するまでもないですが、「死」を連想させます。「44」や「444」など連続する場合は論外ですが、ただ単に末尾に「4」が付くだけなら問題ないとされる動きも近年は出てきています。しかしながら高齢化社会の影響でいくつになっても元気で活躍するシニア層が増えてきている昨今。レジスタッフが高齢者の場合は「44」や「444」でなくとも遠慮するのが望ましいとされています。
●9⇒「苦」を連想させる忌々しい数字。考え方としては「4」と同様で問題ありませんが、「49」での使用は絶対に避けるべきです。痛みや苦しみと闘っている方が多く来店するドラッグストアや調剤薬局ではとくに注意するようにしましょう。
●13⇒キリスト教圏で不吉な数字とされている13。従来では、日本国内では問題ないとされていましたが、近年はグローバル化の波が急速に押し寄せてきており、心配な方は自重するのが無難です。もっとも、日本人でもキリスト教徒や関連学校は多数存在しますので、日本人のレジ担当であっても使用を控えることを推奨しております。
●666⇒こちらもキリスト教にまつわる不吉な数字です。映画『オーメン』でも有名です。まれに、少々ノリの軽い方がお会計で偶然666が出ると「オーメンじゃん!」などと嘯き、酷いケースではSNSなどにUPされるケースが散見されますが、店側も666を出したくてその金額にしているわけではありませんから、軽率な言動は慎むべきだと言われています。当然ながら、「666ポイント」の端数使用もご法度です。
③感謝の気持ちを忘れずに
これまで様々なポイントカードに関するマナーを紹介してきましたが、ここから紹介することがもしかしたら一番大切なマナーと言えるかもしれません。
突然ですが、皆様はポイントカードをどのような存在だと捉えているでしょうか?ポイントという存在について、思いを巡らせたことがありますか?
「そんなこと考えたこともないよ」という意見が多いかもしれません。まあ当然ですよね。
でも一度考えてみてください。あなたはポイントを見たことがありますか?ご自分の手で触ったことがあるでしょうか?
答えはいずれもNOですよね。
いま、この地球には80億人の人々が暮らしていると言われています。しかしポイントを見たことがある人は一人もいません。そう、ポイントとは元からこの世界にあるものではなく、人類が作り出した大いなる幻想なのです。改めてそう考えると、なんだかワクワクしませんか?
ワクワクしたあなたは、きちんとポイントという存在に向き合えている証拠ですので、大きな意味でマナーを心配する必要はないでしょう。
問題は、ワクワクすることができなかったそこのあなたです。
ポイントは永遠にあるもの(決して「永久不滅ポイント」のセゾンポイントを腐しているわけではありません)、ポイントは自分たちの権利、ポイントくらい自由に使わせろ──。
もし、そんな気持ちを少しでも持っているのであれば、ポイントという我々人類が生み出したユートピアに対するマナーが欠如していると言わざるを得ません。
少々きつい言い方で失礼いたしました。
ですが、これからも末永くポイントを通して楽しい生活を一人でも多くの方が送れるように、ポイントの存在について感謝の気持ちを抱くことこそが、最大限のマナーなのです。
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