ありとあらゆるポイントカードが乱立している昨今。
店頭でポイントカードを提示する際、マナー違反でお店の方を困らせていませんか?
今回は、ポイントカードに関するマナーを学んでいきましょう。
とくに大切なのは以下の点です。
①とにかくタイミングが命
②”端数”使用にご用心
③感謝の気持ちを忘れずに
では、順番に見ていきましょう。
①とにかくタイミングが命
ポイントカードに関するマナー違反は、”タイミング”の問題に関連することが大半です。言い換えれば、適切なタイミングでポイントカードを提示することができれば、粗方の問題はクリアできているのです。
まずは、代表的な「NG事例」の紹介です。
【A】フライング提示
店員「2500円でございます。楽天、、、」
客「はい。楽天カードあります」*と言って、カードを差し出す
「楽天ポイントカードはございますか?」という店員さんの言葉を遮り、身勝手なタイミングでカードを提示しようとすることはNGです。
まずもって、相手の言葉を最後まで聞くという、霊長類として最低限のマナーを守れていません。ポイントカードに限らず、どんな内容であっても相手が言い終わるまでは傾聴するようにしましょう。
また、「どうせ”楽天ポイントカードをお持ちですか?”と聞かれるのは自明なのだから、時短のために素早く提示することの何が悪い」という反論をされる方がいらっしゃいます。とくに”タイパ”を重視されるZ世代の方に多い傾向があります。しかし、これは完全に誤りであると言わざるを得ません。どういうことかと言うと、
「2500円でございます。楽天イーグルス、昨日の試合負けちゃいましたね」というようなセンテンスを店員さんが言いかけていたという可能性を完全にぬぐい切れているとは言えないためです。
プロ野球の話をして、客との距離感を縮めたい店員さんの善意を踏みにじる大変失礼なことなのです。楽天カードユーザーの方々は、とくに楽天球団のお膝元である仙台を中心とした東北地方でこのようなシチュエーションがあった際は十分に注意するようにしましょう。
【B】後出し提示
ポイントカードにまつわるあらゆるマナー違反の中でも、最大級に罪深い行為が後出し提示です。もしポイントカードに関するマナー違反を犯罪とするのであれば、後出し提示は無期懲役級のギルティ行為です。レジの機種によっては、後付けすることが困難な場合もあるでしょうし、店員さんに大変な負担をかけてしまうことも予想されます。ですので、基本的には求められたタイミングでの提示が出来なかった場合に、後からポイントをつけてもらうことは自粛しましょう。
そこで問題なのは、「ポイントカードはありますか?」と店員から聞かれなかった場合です。おそらくマニュアル上はどんなお店でも都度ポイントカードの有無を確認しないといけないとは思うのですが、店員さんも人間です。ときには忘れてしまうこともあるでしょう。そして聞かれるのを忘れられたからといって、会計後に出しても良いというわけではないということに留意するようにしましょう。理不尽だと思う方もいるかもしれませんが、ひとつだけ言えることは、「店員さんは、ポイントカードを持ってそうな人には必ず尋ねるようにしている」という揺るぎのない事実です。そうです、聞かれなかったということは、あなたがポイントカードオーナーであると見なされなかっただけなのです。「ポイントなど貯めそうに他人から思われない」というのが誉め言葉なのかどうかというのは人によって変わるでしょう。しかしながら、毎回必ずカードの有無を聞かれたい方は、自らそう思われるための振る舞いをするしかないのです。義務教育では絶対に教えてくれない、世の中の理なのです。
では、忘れたことをどうしても諦めきれない人はどうすれば良いのかを解説いたしましょう。結論から申し上げると、直接的に依頼するのはNGです。純然たるマナー違反ですので絶対にやめましょう。次のようなセリフを言うようにしてください。
「実はこの前ポイントをつけてもらうの忘れちゃったんですけど、今日はちゃんと持ってきましたのでお願いします」
あくまで世間話みたいな感じで前回の失態を話すのです。重要なのは「別に私、この前のポイントが惜しいなんてまったく思ってませんよ」という雰囲気を全身から醸し出すように心がけることです。ここまで低姿勢でいくからこそ、運が良ければ店員さんから「ああ、前のレシートお持ちでしたら付けときますよ」という有難いお言葉を引き出せる可能性があるのです。
【C】カード違い
マナー違反なだけではなく、客としてのメンタルを大きく削がれるのが「カード違い」。勘違い等の理由により、まったく関係のない銘柄のポイントカードを提示してしまう行為です。厳密にはタイミングの問題とは少し毛色が違いますが、大いに注意すべきマナーですので、しっかりと確認するようにしましょう。
確かに、様々なポイントカードが群雄割拠しているポイント戦国時代の昨今において、「どの店でどのカードを使用できるか?」という気の遠くなるようなアルゴリズムを正確に把握するのは並大抵の努力では叶いません。さらにポイントカードの統廃合という業界を揺るがす再編も、全容把握の困難さに拍車をかけています。こういった状況のなかでは、もはやミスは不可避。残念ながら、そういった弱気な声もチラホラ聞こえてきます。しかしそうはいってもマナーという観点においては、やはりカード違いはご法度なのです。
ここで、少し視点を変え、店舗側の観点から考えていきましょう。多くの店舗を束ねている小売りのチェーン店において、何らかのポイントカードサービスを導入しているのはもはや常識。まったくポイントを導入していないチェーンを探す方が困難なくらいです。そうすると、「どのポイントカードを導入しているか」という事実は、そのチェーンのアイデンティティを示しているといっても過言ではないのです。そう、人間にとってのファッションみたいなもの。それだけ、現代においてポイントカードというのは重い存在なのです。
こういった社会背景をしっかりと理解されていれば、「楽天カード」を導入している店に「Dポイント」を提示するなどといった行為がマナー違反であることは想像に難くないはずです。ですので、万一他社のカードを提示してしまった場合には、迷惑料として正規の料金の2倍~5倍の支払いを(チップとして)済ませ、最大限の謝罪と共に速やかに退店することを推奨しています。
②につづく
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